愉快な世界の漬物たち
日本だけではなく食卓に漬物が並ぶのは世界中で日常的に見る光景です。
ここでは、世界の個性あふれる様々な漬物をご紹介いたします。
「トゥルシュ」はトルコの酸味のある漬物のことを言います。農業大国トルコでは様々な種類があり、キャベツ、きゅうり、プチトマトなどの野菜をはじめ、メロン、あんずなどの果物、とうがらし、卵、チーズのトゥルシュまであります。作り方も様々で、塩漬けを乳酸発酵させて酸っぱくして作るタイプや、酢やレモン汁を使って作る酢漬けタイプなどいろいろです。
肉料理と一緒に食べることが多く、インゲン豆のトゥルシュを玉ねぎと一緒に炒めて食べたりすることもあります。また、トルコの漬物の食べ方で特徴的なのは、トゥルシュの漬物と一緒に漬け液のトゥルシュ・スユを一緒に飲むことです。イスタンブールでは、プラスチックコップの容器にトゥルシュ・スユと一緒に入ったトゥルシュを売っている屋台があり、名物のサバサンド(サバの塩焼きを玉ねぎなどと一緒にパンで挟んだもの)のお供に食べられています。
トゥルシュ・スユは、トルコでは健康的な飲み物で、特に赤かぶや黒にんじんのトゥルシュ・スユはシャルガム・スユと呼ばれ、ペットボトルや瓶に入ったものが食料品店に並ぶほど親しまれています。また、トゥルシュ専門店があり、お店にはさまざまなトゥルシュが並び、気になったものを味見して、じっくり選ぶことができます。専門店ではトゥルシュ・スユだけを味見したり、買うこともできます。
酢漬けトゥルシュの作り方は、水に塩を混ぜて沸騰させ冷ました後、酢と少しの砂糖を加えて漬け液を作ります。保存容器にひよこ豆と好みの野菜、にんにく、唐辛子などの香辛料を入れた後、漬け液を流し入れ、2週間以上漬け込みます。
もともと「トゥルシュ」とは、ペルシャ語で酸っぱいを意味する『トルシュ』が語源で、アラブ地域からトルコに伝わったと言われています。イラン、ギリシャでは漬物を「トールシ」、エジプトでは「トルシー」、ブルガリアでは「トゥルシヤ」と呼ばれており、語源を同じくする漬物が各地にあります。