愉快な世界の漬物たち
日本だけではなく食卓に漬物が並ぶのは世界中で日常的に見る光景です。
ここでは、世界の個性あふれる様々な漬物をご紹介いたします。


ジョージアの食卓に欠かせない伝統的な漬物に「ジョンジョリの塩漬け」があります。原料は、春から初夏にかけてのわずかな期間に手摘みで収穫される「ミツバウツギ」という木の花のつぼみです。このつぼみを水洗いし、塩に漬け込み、2週間以上じっくりと乳酸発酵させることで、独特の風味が生まれます。
一番の魅力は、その独特の食感にあります。つぼみが弾ける「プチッ」とした感触と、茎の「シャキシャキ」とした歯ごたえを同時に楽しむことができます。味わいは、熟成されたまろやかな酸味とほのかな渋みがあり、オリーブやケッパーにも似た、爽やかで後を引く美味しさです。
ジョージアの伝統的な宴会「スプラ」では、前菜として必ずと言っていいほど登場します。そのまま食べるのはもちろん、スライスした玉ねぎと香り高いひまわり油で和え、さらに刻んだパクチーを混ぜ合わせるのが現地の定番です。その程よい酸味とハーブの香りが、ボリュームのある肉料理や豆のスープ「ロビオ」の合間に、口の中をさっぱりと整えてくれます。
素朴ながらも、ジョージアの豊かな自然と知恵が詰まったジョンジョリの塩漬け。保存食でありながら、春の訪れを感じさせる滋味深い一品として愛され続けています。

参考文献:
『大使が語るジョージア 観光・歴史・文化・グルメ』
ティムラズ・レジャバ,ダヴィド・ゴギナシュヴィリ著(星海社新書)
『はじめて旅するジョージア』
Sanna著(辰巳出版)



