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野菜のひみつ

らっきょうのひみつ

らっきょうの生まれ故郷

らっきょうの生まれ故郷は中国で、紀元前3世紀には栽培されていました。日本へは9世紀頃に、中国から伝わってきたと言われています。

画像:らっきょうの生まれ故郷
エシャロットとエシャレット、その「違い」は?

らっきょうの若採り野菜であるエシャレットですが、よく似た名前のエシャロットとは、実はまったくの別物。その違いを解説します。
エシャロット:玉ねぎの親戚で、フランス料理の立役者
エシャロットは、玉ねぎの仲間です。にんにくのように球がいくつかに分かれる(分球する)のが特徴で、玉ねぎよりも繊細な香りと強い甘みを持っています。そのため、フランス料理やイタリア料理で欠かせない香味野菜として世界中で広く利用されています。
エシャレット:らっきょうの若採りから生まれた「和製ネーミング」野菜
一方のエシャレットは、らっきょうの球根を、土を寄せて日光に当てずに(軟白栽培)育てることで、辛みや香りを抑え、生でも食べやすくしたものです。葉が青く、根が柔らかい若いうちに収穫されるのが特徴です。
実は、このエシャレットという呼び名は、日本で生まれた独自のネーミングで、若採りのらっきょうが「エシャロット」という名前で出荷されたのが始まりとされています。しかし、これは本物の「エシャロット」(玉ねぎの仲間)と混同されやすかったため、区別するために「エシャレット」という呼び名が日本で定着しました。

画像:エシャロット画像:エシャレット
        
らっきょういろいろ
  • らっきょう
    画像:らっきょう

    普段、漬物で食べているおなじみのらっきょうです。特有の強い香りと辛味、そしてシャキシャキした食感が特徴です。

  • エシャレット
    画像:エシャレット

    エシャレットは、らっきょうの球根を土に深く植え(軟白栽培)、大きく育つ前に若採りしたものです。らっきょう特有の辛味やクセが少なく、やわらかい食感と爽やかな風味が特徴です。生のまま、みそやマヨネーズをつけてそのまま食べたり、サラダや薬味にも向いています。

  • 島らっきょう
    画像:島らっきょう

    島らっきょうは、沖縄の伝統野菜です。一般的ならっきょうより細長く小ぶりで、強い辛味と香り、シャキシャキした食感が特徴です。軽く塩漬けにして鰹節と醤油をかけて食べたり、天ぷら、チャンプルーとして炒め物にも向いています。生でも加熱しても美味しい、沖縄の食卓やおつまみに欠かせない食材です。

おいしいらっきょうの選び方
  • 表面に傷がないもの
  • 粒がふっくらと丸みのあるもの
  • 芽がでていないもの
らっきょうの旬(おいしい時期)5月~6月
らっきょうの漬物いろいろ
  • らっきょうの甘酢漬

    塩もみ、湯通ししたらっきょうを、甘酢に漬け込んだ、らっきょう漬けの定番です。

  • らっきょうの塩漬

    らっきょうを塩水に漬け込むシンプルな製法で、長期保存に適しています。そのまま食べるだけでなく、甘酢漬など他の漬物へアレンジする際の「下準備」としても重宝されます。食べる時は、水か薄い塩水に漬け、好みの塩加減に調整して使います。

  • らっきょうのたまり漬

    塩漬けしたらっきょうを、たまり醤油、みりんなどを合わせた調味料に漬け込みます。深いコクと旨みが特徴です。

  • らっきょうのワイン漬

    塩漬けしたらっきょうを、ワイン、酢、砂糖を合わせた調味料に漬け込みます。フルーティーな香りとさっぱりした後味が楽しめます。

参考文献:
『栽培植物の起原と伝播』星川清親著(二宮書店)
『野菜園芸大百科 第2版 19 タマネギ・ニンニク・ラッキョウ・アサツキ・シャロット』農文協編(農山漁村文化協会)
『月報野菜情報 2012年5月号 今月の野菜-らっきょう-』(独立行政法人 農畜産業振興機構ウェブサイト)

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