おうちで話そうおいしい食育

愉快な世界の漬物たち

日本だけではなく食卓に漬物が並ぶのは世界中で日常的に見る光景です。
ここでは、世界の個性あふれる様々な漬物をご紹介いたします。

中国のお漬物

実は野菜の茎だった ザーサイ(搾菜)

日本でもおなじみのザーサイ(搾菜)ですが、 中国を代表する漬物で、特に南部の四川料理には欠かせない漬物です。そのまま食べるだけでなく、薬味、蒸し物、炒め物、スープなどさまざまな料理に使われます。ザーサイの原料は何かといいますと、ザーサイという野菜(からし菜の一種)の茎の部分なんです。茎の根元にあるコブ状になった部分だけを漬け込み専用のかめに入れて塩漬けした後、塩や唐辛子などの香辛料と砂糖、お酒などを加えてさらに漬けこんで作ります。

 さて、このザーサイの歴史は意外に新しいようです。1889年、中国の四川省で農業をしている邱寿安(キュウ ジュアン)さんのところで働いていた鄧柄成(トウ ヘイセイ)さんが、豊作で余ってしまう青菜をかめに入れて漬物にしたそうです。邱寿安さんはレストランを営む弟の邱漢章(キュウ カンショウ)さんにこの青菜の漬物を送り、弟の漢章さんがお客さんに食べさせたところ、これがとても評判になり注文が殺到したのだとか。このお漬物をその時、木製の道具を使って水分を搾り取ってから漬け込んだことから、野菜もそのお漬物も「搾菜」(ザーサイ)と名づけられたようです。そして、兄の邱寿安さんはザーサイの漬物を作る工場を立ち上げ、ザーサイが広まっていったそうですよ。

画像:ザーサイの茎の根元
画像:お漬物のザーサイ
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