関東一の水系・利根川が作り上げた肥沃な土地に、やがて「こくうま」となる白菜のふるさと「埼玉農場」があります。70万u(東京ドームの15倍)の広大な畑を使って栽培されているのは、「霜降り白菜※」と呼ばれる種類。白菜の旬である冬に収穫され、特に実のしまりが良く、白菜中心部分の糖度は10度を越すものもあると言われています。
※「霜降り白菜」は、(有)茨城白菜栽培組合の商標です
定植から約2ヶ月目を迎えた白菜畑には、すでに大きく成長した白菜たちが並んでいます。今年は12月1日までに2度霜が降り、少ししなやかになった外葉で白菜全体を包んで頭を縛っていく作業が行われています。
定植から約2ヶ月の白菜(頭を縛る前)
ひもで頭を縛られた白菜たち
こくうまの原料となる「霜降り白菜」は、すべてこのように、ひもで頭を縛った姿で厳しい冬を迎えます。
水分を多く含んでいる白菜は、強い霜が何度もあたると凍って枯れてしまいます。しかし、外葉で包み込むように白菜の頭部をひもで結束。中身をやさしく守りながら繰り返し霜にあてて冬を乗り越えさます。
外葉で包むように結束
ひとつひとつ手作業で丁寧に
すると、まるで水分を不凍液に変えていくように、白菜自らの生命力を発揮して生き残るための養分をしっかりと葉に貯えます。それが「霜降り白菜」の甘味とうまみの秘密なのです。
今年は、白菜の上の方を縛ることで全体を尖らせています。それは降雪が多いことが予測されており、少しでも白菜の上に雪が積もらないようにするためです。このように白菜の縛り方にも天候を見極めた対策が施されるなど、日照・降雪・霜の状況・気温などを見極め、さらに全ての畑で均質の白菜を育成するための土壌の保全など、厳しい管理の下でこくうまの原料となる「霜降り白菜」は栽培されています。