白菜は、冬場だけではなく夏場にも涼しい地域で栽培されています。一年を通して皆さまの食卓にお届けしている「こくうま」は、常に新鮮な白菜を使用するため、夏場の白菜農場にもこだわっています。長野県南佐久郡南牧村にある長野農場は、八ヶ岳の麓に広がる標高850〜1,500mの広大な農地。千曲川の源流域にあり、澄みわたる空気と東京より10℃も低い冷涼な環境を活かして、「みずみずしさ」と「おいしさ」にあふれた白菜を栽培しています。
定植から一ヶ月を過ぎた長野農場には、青々と育った白菜が初夏の日差しに照らされ美しく輝いていました。この時期の白菜は、すべての内葉が発芽しており、結球の肥大に伴って養分をグングン吸収して大きく成長します。しかも、その養分は、根からだけでなく、葉からも吸収するため、肥料を葉に対して供給する作業が行われています。
今年は、早くから台風が上陸するなど雨量がやや多くなっています。また、その反面、梅雨の晴れ間には、夏の日差しが照りつけるなど、激しい温度変化もあり、高原白菜には、厳しい条件が続いていています。この時期の病害の発生に備え、農場を守る高見澤さんは、毎日、早朝から農場に出向いて綿密なチェックを行なっています。
蛾の仲間は、白菜の葉に卵を産みつけ、幼虫がその葉を食べて育ちます。白菜にとって、夏場の蛾など害虫の発生には充分な対策が必要です。3枚の写真は、どの種類の害虫がどの程度発生しているのかを、それぞれの害虫が好むフェロモンを使って確認しているところです。これにより、必要以上の農薬を散布しない適切な対策が可能になります。
長野農場の三代目、高見澤賢丈さんは、大切な成長期を迎えた白菜が気がかりな毎日を過ごしています。「今年の白菜は、ここまでは100点!でも気は抜けません」と語ってくれました。「この山とあの山に雲がかかったら明日は雨。」といった、彼の祖父や父が経験から得たノウハウは、教科書では学べない大切な知識として受け継ぎ、栽培に役立てているそうです。