白菜は、冬場だけではなく夏場にも涼しい地域で栽培されています。一年を通して皆さまの食卓にお届けしている「こくうま」は、常に新鮮な白菜を使用するため、夏場の白菜農場にもこだわっています。長野県南佐久郡南牧村にある長野農場は、八ヶ岳の麓に広がる標高850〜1,500mの広大な農地。千曲川の源流域にあり、澄みわたる空気と東京より10℃も低い冷涼な環境を活かして、「みずみずしさ」と「おいしさ」にあふれた白菜を栽培しています。
爽やかな高原の光をいっぱい浴びて、長野農場の夏白菜は元気に育ちました。今年の白菜の生育状態は良好で、1玉が3.5〜3.6Kg。手に取るとズッシリとその重さを感じます。
定植から55日が過ぎたころから収穫がスタート。大きく育った白菜を、5玉ずつケースに入れ、1日260ケース(約4トン)を出荷。収穫は、これから9月中旬まで続きますが、日を追うごとに出荷量は増え、最盛期には一日400ケース(約6トン)に達することもあります。
冬場に栽培する白菜は、寒さに備えて白菜自体が自己防衛のために糖度を上げていきますが、夏場は糖度が上がらなかったり、苦味を持ったりします。そこで、肥料などを上手にコントロールしながら白菜そのものの美味しさを導き出しています。また、夏は、急激な気温の上昇や大雨により病気が発生しやすいため、あらかじめ病気に強い品種を選定したり、天候によるリスクを回避するため、雨に強い品種と雨がなくても結球しやすい品種の2品種を栽培するなどの対策を講じています。
夏の厳しい条件のもとで手塩にかけて育てられた白菜は、その大半が東海漬物の榛名工場・所沢工場・茨城工場へ運ばれて行きます。この日、収穫された白菜はそれぞれの工場に入荷し、新鮮なまま一時的に冷蔵庫で保管され、約4〜5日後には、シャキシャキとした食感とコクと旨みにこだわった「こくうま」になって出荷され、店頭に並んでいきます。
生産者である長野農場の三代目、高見澤賢丈さんは『この時期スーパーで「こくうま」が並んでいるのを見ると、自分の農場で育てた白菜なんだなぁ…って感慨深くなりますね。』と語ってくれました。
今回の出荷は一期作目の白菜で、これから二期作目の白菜の栽培が行われます。ただ、二期作目は肥料が流れていたり、土が硬くなっていたり、残菜があったりするので、さらに栽培が難しくなるそうです。
二期作目の白菜の定植は、一期作目の白菜が植えられていた箇所の間(青点部分)に新たに穴をあけて行われ、一期作目の栽培の際にあけられた穴(赤点部分)には肥料が投入されます。