10月上旬のよく晴れた日の朝、軽井沢駅で新幹線を降りた瞬間の一言は「寒い」。のちのち、その気候こそが嬬恋村の特産品「嬬恋高原キャベツ」を育むのだということを、身をもって知ることとなる。
軽井沢駅から車で小1時間、木々が色づき始めた日本ロマンチック街道を抜けた先に嬬恋村を代表するリゾートホテルのひとつ「ホテルグリーンプラザ軽井沢」はある。地域に根ざしたホテルとして、レストランで使用する野菜も地元産にこだわっている。嬬恋高原キャベツも、新鮮なまま生で提供したり、ローストにしたり、和食の水菓子にアレンジしたりと、さまざまに工夫を凝らしたメニューを提供している。夏には朝市も開催しており、キャベツをはじめ、生で食べられるトウモロコシなど、地元の新鮮な朝採れ野菜を目当てに、多くの人たちが足を運ぶ。
そんな中でも高い人気を誇るのが、「まるごとキャベツの漬物」。その名の通り、嬬恋高原キャベツをまるごと浅漬けにした豪快な漬物だ。お話を伺ったのは和食料理長の高橋稔さんと、営業企画課マネージャーの石渡健太さん。まずは高橋さんに、まるごとキャベツの漬物(以下、まるごと漬け)のつくり方を教わった。