納豆・醤油・味噌など、日本には発酵により生まれる食品が多くあります。
そうした「発酵食品」の中で、ご家庭で手軽につくれる食品が「ぬか漬」です。
「ぬか漬」は、江戸時代には一般の人々に食されていたようで、栄養価の高い伝統食として日本全国に広く普及しています。
「ぬか漬」のぬかとは「米ぬか」のこと。玄米を精米するときに出る米の外皮です。そのぬかに、水や塩を加えて混ぜ合わせたものが「ぬか床」になります。その中で、乳酸菌や酵母などの微生物が増殖を繰り返すことで、うまみ成分がたくさん生まれ、その中に入れられた野菜は、ぬか床の風味が加わり、おいしい「ぬか漬」になります。
「ぬか床」は、カビなどの発生を防ぐため、
天地返し(※)を行う必要があります。また、野菜から出た水分で「ぬか床」が水っぽくなるため、水分の管理や雑菌の繁殖を防ぐ塩分の調整が必要です。
「ぬか床」を上手に育てることで、ご家庭独自のおいしい「ぬか漬」になります。
※ 上のぬかと底のぬかを大きく入れ替える。
野菜をぬか漬にすると、ビタミンB1含有量が約10倍に増える
ぬか床の「ぬか」にはビタミンB群が多く含まれています。
野菜をぬか漬にすると、「ぬか」の栄養分が吸収され、ビタミン含有量が増えます。
※文部科学省 食品成分データベース
※ビタミンB1含有量は、漬け時間により異なります。
ビタミンB群以外にも様々な栄養成分が含まれている!
- ・ビタミンE:脂質酸化防止作用など
- ・γ-オリザノール:抗酸化作用など
- ・フェルラ酸:抗酸化作用、紫外線吸収など
- ・フィチン酸:抗ガン作用、抗酸化作用、抗脂肪作用など
- ・イノシトール:抗脂肪肝、動脈硬化予防、カルシウム吸収促進など
- ・乳酸菌:プロバイオティクス効果、腸内環境改善
※食品と科学2001年8月号(食品と科学社)
「米ぬか成分の生理活性機能」
発酵中のぬか床内での菌数変化発酵ぬか床1g中に乳酸菌は1億個生きている
※東海漬物 漬物機能研究所調べ