東海漬物
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第39回 台湾・後編【客家人が作る伝統的な漬け物とその料理】 その昔、中国大陸を放浪していた「客家(ハッカ、中国語読みでグージャー)」は、客家語を話す漢民族の一派である。戦乱から逃れるために南下を繰り返し、自らの国や土地を持たないことからその名が付けられたという。中国南部や香港、マレーシアやタイにいるほか、台湾にも在住している。客家の人たちは、漬け物を干して保存し、さまざまな料理に使っていると聞き、台湾西北部の町を訪ねた。

町中で、山積みで売られている漬け物手前が「梅干」、右奥が「福菜」客家人といわれている。
 客家人が台湾に渡来したときに、福佬系の人々や原住民との摩擦を避けるために、丘陵地帯に暮らしはじめた。自然を切り開き、病気との闘いもあったせいか、台湾の客家人は勤勉で倹約で飾り気がなく、人と環境の良好な関係を築くという特性が培われたようだ。

客家の人たちと客家料理の特長」

 客家は、広東省東部、香港の新界、江西省南部、福建省西部といった山地や丘陵地帯を中心に生活している。さらに台湾、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどに移住した人も多く、これらの広範な地域で伝統的に食べられてきた料理が「客家料理」と呼ばれている。
漬け物や発酵食品を上手に活用するのが客家料理の特長のひとつ。魚の上に載っている黒い粒は「豆豉」
 昔の客家人は畑や山での肉体労働が多く、消耗した身体にエネルギーと塩分や水分を補い、脱水症状を起こさないような食事を心がけていた。そのため伝統的な客家料理は、ボリューム満点で、塩味や酸味が効いた濃厚な味わいだ。
唐辛子、ショウガ、酒、醤油を風味づけに使うことが多い。また、野菜を塩漬けしてから乾燥させたものを保存食にして、料理に活用している。
 台湾で暮らす客家は、北部は桃園県、新竹県、苗栗県に、南部は高雄市、屏東県六堆地域に、中部は台中市、南投県、彰化県、雲林県に暮らし、そのほか東部の宜蘭県、花蓮県、台東県の一部の地方にも集落が存在する。台湾全体の14%が
手際よく、料理をつくってくれた楊さんのお姉さん
干し大根の蘿蔔干(ルォウブォウガン)があった。一般的には2~3年おいてから食べるそうだが、食べきれないものを保存しているうちに、年代モノになったという。このくらいの年数が経つと、薬のような扱いで重宝されるそうだ。
 楊さんの姉の明春(ミンチュン)さんに、漬け物を使った料理を作っていただいた。ルォウブォウを乾燥させる前のものに、塩とネギとニンニクを和えたものは、ポリポリした食感がよく、ご飯がすすんだ。
 このほか、蘿蔔の卵焼き、豚カルビと豆干のスープ、梅干とひき肉の蒸しもの、福菜と豚バラ肉のスープ、などを作っていただいた。だしをとった豚バラ肉は、自家製の金柑ソースや梅干の漬け汁をつけていただく。
蘿蔔を乾燥させる前のものに、塩とネギとニンニクを和えたもの・蘿蔔の卵焼き・豚カルビと豆干のスープ・梅干とひき肉の蒸しもの・福菜と豚バラ肉のスープ・だしをとった豚バラ肉、自家製の金柑ソースや梅干の漬け汁

客家人の漬け物を使った料理

 台湾の西北部に位置する新竹県の北埔(ベイプー)は、180年ほど前に客家人によって開発され、住民の90%は客家人という典型的な客家の町。中国茶の「東方美人」の里としても知られている。
 お茶の製造・販売をしている楊煥章(ヤン ファンジャン)さんのお宅を訪ねて、客家人が作っている漬け物を見せてもらった。
「東方美人」などの台湾茶を製造販売している楊さん一家  「ほとんどの漬け物は、旧正月の前に漬けて保存しておいたものです。芥菜(ヅェツァイ)を使った梅干(メイガン)のほか、 50~60cmの豆を使った豆干(ドウガン)、大根を使った蘿蔔(ルォウブォウ)を用意しました」
 客家の代表的な漬け物として知られるのが「福菜(フーツァィ)」だろう。お米を収穫したあとを畑にして、そこで採れたカラシナを漬け物にするという。天日で干してから、かめに入れて粗塩を振り、2週間ほど漬ける。
芥菜(ヅェツァイ)を使った梅干(メイガン)。半乾燥のものが「福菜(フーツァイ)と呼ばれる
左上/50~60cmの豆を使った豆干(ドウガン)
左下/芥菜(ヅェツァイ)を使った梅干(メイガン)。ぐるぐる巻きにして保存する。
右上/大根を使った蘿蔔(ルォウブォウ)
右下/蘿蔔(ルォウブォウ)の20年モノ
 日本の漬け物はこの段階で食卓に上るが、客家の漬け物は、塩漬けしたものをさらに3~4日ほど天日に干して、乾物にしてしまうところが興味深い。
 「台湾は湿度が高いので、干さないと雑菌が繁殖してしまうんです。干したほうが保存しやすいし、味もいいことに気づいたのでしょう。この辺りの客家は北部や南部にいる客家とも違う食文化で、塩だけを使った昔ながらの作り方を守っています」
 福菜よりもさらに天日でカラカラに乾燥させたカラシナを使ったものが「梅干(メイガン)」である。乾燥ぐあいによって、しっとりした仕上がりになったり、パリパリの食感になるという。また、福菜も梅干も、2~4年以上経ったものがおいしいそうだ。
 楊さんのお宅には、20年前に作ったという
豆腐」(チョウドウフ)は、台湾の夜市を歩けば、すぐ目につくはずだ。独特な臭みがある発酵液に豆腐を一晩漬け込んで作られる。臭豆腐を麻辣スープで煮込んで食べるものと、臭豆腐を油で揚げて、キャベツの酢漬けを添えて食べるものがある(好みでチリソースをかける)。また、油で揚げた臭豆腐を串に刺して焼いたものもある。
 前編で紹介した「酸菜」や、客家の漬け物は塩だけで漬けてあるが、そのほかの発酵食品はかなり独特な風味を持っているようだ。
臭豆腐」を揚げたもの。においはあまり気にならず、美味!

台湾で親しまれている発酵食品

庶民的で地元の人に愛されている「寧夏夜市」は、食べ物屋台が多い 日本と同じような漬け物は少ないものの、台湾の発酵食品もいくつか紹介しておきたい。
 「豆豉」(トウチ)は、黒大豆を水で戻し、蒸したあとで、麹と酵母の混ざったものと塩を加えて発酵させ、日陰に置いて水分を飛ばしたもの。そのままだと塩辛くて風味が強すぎるが、アミノ酸などのうまみ成分を多く含んで栄養価が高く、刻んだものを調味料として使うこと
が多い。日本の「浜納豆」や「大徳寺納豆」も同じもので、奈良時代に中国から伝わったとされている。
 また沖縄の「豆腐よう」のルーツといわれるのが「腐乳」(フールー)である。固く作った豆腐に圧力をかけて水分を70%以下にして、3cm角くらいに切り、表面に塩をまぶしていったん塩漬けする。そのあとで麹に漬け込んで、数か月から1年間、熟成させる。漬けるときの麹は「白麹」か「紅麹」が基本。豆腐の替わりに「臭豆腐」を漬け込んだものもある。
 腐乳も調味料のように、炒め物や煮込み料理に入れられるほか、お粥のトッピングとしても定番になっている。紅麹を用いた腐乳は塩辛くなく、甘みがあるのでそのまま爪楊枝で削って食べるそうだ。
 そして、猛烈に臭うと賛否両論の「臭

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