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第25回 宮城県

まりで、主にツケ菜として利用されてきました」
 鳴子町の鬼首地区で自家用に栽培している「鬼首菜」もツケ菜の一種で、ほどよい辛みと風味があり、根も含めて株全体を漬物にして、翌春まで食べているそうだ。

 京野菜をはじめ、日本各地で伝統野菜が見直されている。宮城県の伝統野菜事情を伺うために、宮城県仙台地方振興事務所の駒井真理子さんを訪ねた。
 「宮城県では県内の食材を利用した『地産地消推進店』の登録制度を設けて『食材王国みやぎ』をアピールしています。2007年からは宮城県の特産食材についての“語り部”となる『みやぎ食材伝道士』の制度をスタートさせました」
 この制度は、ホテルや旅館の料理人などが、生産者のところで農作業を研修し、生産者と一緒になり、作業の苦労や収穫の喜びを分かち合い、生産者の食材にかける情熱を消費者に伝える役目を
担っている。品目ごとに所定の作業を1品目実習した場合は「一つ星」、3品目実習した場合は「二つ星」、5品目以上(海産物、キノコ、青果物が含まれること)実習した場合は「三つ星」が認定される。
 例えば、この「みやぎ食材伝道士」に「小瀬菜だいこんはどんな大根なの?」と聞いてみると、次のように説明してくれる。
 「呼び名は大根ですが、根は小さくて葉が1メートルほどに成長するので、主に葉の部分だけを食べる珍しい品種です。江戸時代の末期、宮城県にある小瀬菜地区で保存食として栽培されていたのが始
 白菜が日本に伝わったのは明治時代のこと。日清戦争が終わったときに、中国の山東半島から持ち帰った種子を、宮城農学校の沼倉吉兵衛氏が試作したのが始まりだ。交配しないように、松島湾内の馬放島で栽培したことで、日本の白菜の原型のひとつである「松島白菜」が誕生した。その後、渡辺採種場で「松島純一号」「松島純二号」「松島新二号」などが育成された。大正末期から昭和初期にかけて東京や横浜に大規模に出荷され、「仙台白菜」として全国的に広がった。関東大震災のときにも、首都圏の台所を支えたのは仙台白菜だったというが、水分が多く柔らかいので傷が付きやすく、病気にも弱く、収穫期間が短いなどの理由で、しだいに新しい品種に代わっていった。

開府時から野菜売りが盛んに行なわれ、寛永17年(1640年)には青果市場が開設され、たくさんの人でにぎわったという。
 宮城県の地方品種を守ってきたのは、昔ながらの種苗メーカーの「渡辺採種場」。同社の「宮城県の地方品種」という資料には20種類の野菜が挙げられており、いくつもの野菜の種子入手先が渡辺採種場になっている。
 2006年には、伝統野菜や特産的野菜などの生産振興,消費拡大,都市農業振興,地域色文化の活性化を目的に、県仙台農業改良普及センターが、仙台市や農協、農家、流通関係者とともに「仙台野菜ブランド化推進協議会」を設立している。
 仙台市は県庁所在地であり、東北地方の最大都市でもあるが、県内でも有数の野菜産地で、昔から都市生活者への野菜供給基地として発展してきた。特に広瀬川沿いや七北田川沿いでは、ナス・ネギ・大根といった野菜が江戸時代から栽培されていた。現在の河原町には、仙台

農閑期は野菜の種類が少ないので、ひとつの野菜をいろいろな形で出すこともあるそうだが、意外にもお客さんは同じ野菜を使っていることに気づかないという。
 訪ねた日のメニューにも仙台伝統野菜が使われていた。白菜の塩漬け、芭蕉菜の炒め煮、仙台雪菜の塩漬け、仙台曲がりねぎを焼いたサラダ風のものがあった。このほか、仙台曲がりねぎを使ったつみれ汁。ネギの青い部分にアワ麩を加えて、少量の鶏ひき肉を足してミンチにすると、ネギのとろみで団子状になるそうだ。

 現在、仙台から出荷された白菜はすべて「仙台白菜」という呼び名が付けられているが、伝統的な仙台白菜は「松島純二号」という品種。
 「一般の白菜と比べると、芯の部分に厚みがあって、甘いんですよ。シャキシャキした歯ごたえがあるので、生で食べてもおいしいし、煮ると柔らかくなるし、漬物にも最適ですね。クセがないのでいろいろな料理に使えますよ」
 仙台伝統野菜生産振興会の会長でもある農家の萱場(かやば)哲男さんは、2003年に県からの勧めで仙台白菜を作り始めた。最初に口にしたときに、幼いころに食べていた白菜を思いだしたそうだ。
 東日本大震災の際には、萱場さんの畑も津波の被害に遭った。その年は塩害で作付けできなかったが、翌年から少しずつ畑を戻していき、松島白菜は今年で2作目。8月20日ごろに種を蒔き、
育苗した苗を9月中ごろに定植する。収穫時期は11月下旬から12月ごろまで。1ヘクタールの畑のうち、白菜は10アールほど。年間3000個以上は収穫しているそうだ。
「野菜を作る楽しみは、もちろん売るというのもあるけど、自分が食べるということがいちばん楽しいですね。それをお客さんに届けて、作り方を教えることもしてきました」
 萱場さんは「農家レストランもろや」という人気の農家レストランも営んでいる。料理を担当するのは、妻の市子さん。30年くらい前から野菜の宅配を始めて、食べ方を教えているうちに、自宅に招待したのがきっかけで、レストランを開くことになったそうだ。
 メニューはそのときに収穫できる野菜で決まるが、基本的には毎月ごとに変えている。

漬け替えたあとは、2〜3日で食べごろになる。
 最後に、市子さんが農家に伝わる「玄米漬け」の作り方を教えてくれた。元々は、残ったくず米の玄米を使って漬物にしたのが始まりで、その独特な風味はクセになるらしい。まず、大根を5〜6日干しておく。柔らかめに炊いた玄米に砂糖を加えて、砂糖が溶けたら塩と酢を加える。この漬け元ができたら、あとはたくあん漬けと同じように、大根をサンドイッチ状に漬け込んでいく。漬け込んでから1か月くらいで食べられるので、12月に漬けたら正月に食べられる。萱場家では、正月にはこの玄米漬けと白菜漬けは必ず添えるという。

 仙台白菜の漬物は、収穫した白菜を水洗いし、根元の白い部分だけに塩をふる。塩加減は4%くらい。あまり塩辛くて
もダメだし、甘くてもダメ。一晩で水が上げるくらいの塩分を心がける。
 一晩塩漬けしたあとで、水分を搾ってから昆布や唐辛子などを足して漬け替える。このときに硬い部分があれば、塩水の中で少し揉んで柔らかくするといい。

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