多久市の夏季限定の特産物「青しまうり漬」の販売が、7月1日から始まった。農産物直売所「たくさん館」に訪れた市長やJA関係者は、「しっかりとした漬け具合とカリッとした歯ごたえは今年も健在」と期待を寄せる。
「青しまうり漬」は、昔から栽培されている青しまうりを酒粕に約1か月間漬けたもので、砂糖、塩、酒粕のみを使用した自然食品。一般的な白うりに比べてカリッとした歯ごたえに特徴があり、酒粕の芳醇な香りが人気で、市内はもとより県出身者を中心に全国から注文がある。
「カリッとした食感と酒粕の香りが、芋焼酎とよく合うんですよ。佐賀ではお茶請けにこういった漬け物を出すことも多いですね」
そう話すのは、JAさが佐城地区多久中央支所・営農経済事業所農産野菜課の野中大史(ひろふみ)さん。一口いただくと、独特な酒粕漬けの香りが口に広がり、ご飯がいくらでも食べられそうだ。
青しまうりは家庭で自家用として栽培され、酒粕漬けや浅漬けとして食卓にのぼっていたという。それを地域の名産品として商品化したのは、平成元年ごろ。メロン農家を中心に、青しまうりの栽培を委託するところから始まった。ところが、作り手が高齢化していることもあり、手間がかかる新しいことはしたくない。また、在来品種は栽培が難しく、収穫量が少ないという欠点もあった。それでも、少しずつ取り組む農家が増えて、今は13名が青しまうり栽培に取り組んでいる。