久住高菜の産地である久住高原は、くじゅう連山の南山麓の竹田市久住町(くじゅうまち)にある。 九州本土最高峰の山を抱く一帯は阿蘇くじゅう国立公園に指定されている。
くじゅう連山の北側には、玖珠川(くすがわ)の源流になっている複数の水源があり、筑後川で有明海に注ぐまで流域が続いている。以前、本シリーズ第31回の福岡編で久留米市の「山汐漬」を取材したときに、筑後川の源流から種が運ばれて、自生したのが始まりだと聞いた。もしかしたら、そのルーツは「久住高菜」にあるのかもしれない。
一方の「阿蘇高菜」と比べると、品種はかなり近いようだ。標高600m、マイナス10度になるという高原で育った「久住高菜」は、葉がギザギザしており、茎が柔らかいのが特徴。地元の人によると、「阿蘇高菜」と比べてやや辛みが強いという。