秋田県南東部に広がる横手盆地は県内最大の平地で、国内でも有数の穀倉地帯になっている。米が豊富に収穫できたこともあり、糀を作って味噌を作り、漬物にも利用する文化が発達した。1950年代(昭和30年代)には県南部に100軒を超える糀醸造所があったといわれている。
横手市「食と農からのまちづくりプロジェクト」を担当するマーケティング推進課の西川可奈子さんにお話を伺った。
「横手市は昔から糀漬けなどの漬物をはじめ、味噌・醤油の醸造、甘酒など糀を活かした産業が発達しています。そんなことから、2004年に『よこて発酵文化研究所』を設立して、発酵をキーワードに町おこしを始めました」
秋田を代表する「いぶりがっこ」は、大根を煙でいぶして乾燥させてから漬けたもので、独特な風味が味わえる漬物だ。『よこて発酵文化研究所』の活動から生まれたいぶりがっこ「黄はだ美人」は、薬木のキハダで色を付けて、漬け込むときに砂糖の代わりに甘酒を使った無添加の商品。さらに、第1回「いぶりんピック」金賞受賞者のレシピを使った「金樽」ブランドを展開している。